ついこの間、自転車が故障した。
直せる程度の物なら自分で直す主義だけれども、
前輪丸々一個の交換では素人では歯が立たない。
仕方なしに、歩いて三十分以上は軽くかかる
自転車屋に持っていったのだ。
（近所の自転車屋はあまり好きではないからだ）

まだ三月の終わりだっていうのに、
ゴールデンウイークを彷彿とさせるような日差しの中
わたしは延々と愛車を引いていく。
その距離、ゆうに四キロメートル。

わたしは思わずつぶやいた。
「……暑い……」

そういえば最近は
変なときに大雪だったり、妙なときに寒かったりで
異常気象が続いてる。
ノストラダムスの予言は正しいのかな？
とか思いつつも、足は止めない。

視線をふと足下に落とすと、
街路樹の根本につくしが生えている。
いつのまに生えたのだろう？
って、こんなに暖かい（を通り越して暑い）んだから当たり前か。
それでもなんだか感心しつつ、
わたしはてけてけ東南方向へ。

やがて桜並木の下をくぐると
枝の先に白い物がチラホラと見える。
……咲いてる。
確かおとついは、蕾すらも付いてなかったよな……
すごい根性してるぞ、桜！二日で花を咲かせるなんて。
ここにきて初めて足を止めはわたしの
見上げた桜のその枝には、
二十三個の（予想）花がついていた。

そして、また歩き出す。
でも、さっきまでとは気分が違う。
暑い暑いと嫌々だったのに、
もう春だし暖かくってとうぜんだなぁとか思ってる。
桜を見ると春を感じる。
なんだか幸せ感じません？

Ｐ．Ｓ
自転車屋に着いたはいいものの、
修理は部品注文だから四日かかるとのこと。
しょうがないから修理は頼んで、
元来た道を歩いて帰った（泣）。