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1999-11 文芸部 部誌に寄稿。

子猫を亡くしたあと、彼に向けて書いた詩。
いまでも天国で駆け回っているかしら。






……遠くに、君の声がする。
……まだ出会って三ヶ月しか経っていないのに……
……別れなんて、突然やってくるものなんだ、と知った。

まだ幼い君を、この街に連れてきたのは、わたし。

無邪気な君を、轢いていったのは、見知らぬ人。

飛び出した君を、守りきれなかったのは、父。
君は父の後に付いていって
そうして車に轢かれてしまった。

人間のせい、なんだよね。
人間の勝手で君を死なせてしまったんだよね。
まだまだ死なんて遠かったのに。

もっと、いろんな事を教えてあげたかった。
秋の優しさ、
冬の寒さ、
そして春の暖かさ。

あのね、
世の中には「四季」っていうものがあるんだよ。
君は「夏」しか知らないけれど。

この、暑ぅい「夏」はね、
台風っていうものがあって
大雨、大風ですごいんだよ。
そうしてそれが過ぎるとね
真っ青な空が広がるの。
とっても綺麗ですてきなの。
夏って暑いだけじゃないのよ。

夏が過ぎると「秋」が来る。
安らぎの「秋」。
わたしは二番目に好き。

木の葉がね、
赤や黄色や茶色に染まって
ひらひら、はらはら落ちてくるの。
秋晴れの空は夏とは違ってね、
落ち着いたあの輝きは、君にも見せたい美しさだよ。
あとは食べ物もおいしい季節なんだ。
焼き芋、半分こでたべたかったな。

秋の次は「冬」
夏と逆ですごく寒いの。
空から綿みたいな物が降ってくるの。
それが雪。
つもると一面真っ白になってね、
君が歩くと足跡が型抜かれるの。
てんてん、てんてん並んでくんだよ。
面白いの。
一緒にやりたかったな。
冬は寒くて
とっても寒くて
こたつってものにみんな入るの。
テーブルみたいなものに布団を掛けてあってね
中はとっても暖かいんだよ。
君たち猫っていうものは
こたつで丸くなるんだって。
わたしたちのいないお昼間は
君はこたつを独り占めできたんだよ。
目を閉じると想像できるよ。
幸せそうな君の顔。

そして寒い「冬」が過ぎると、
わたしの大好きな「春」が来る。

春は、
たくさん花が咲いて、
暖かくって、優しい
柔らかな日差しの中に
ゆったりとした時間が流れるの。
ほら、見てごらん。
うちの前の桜並木。
この木々にもピンク色の霞みたいに
たくさん花が咲くんだよ。
そうして何日か経つと
雪みたく花びらが散っていくの。

教えたかったな、君に。
知らないことがたくさんあったもの。

ね、
これからいっしょに、
いつもわたしといっしょにいてくれるんなら。

君にいろんなこと、教えてあげる。
君は無邪気で好奇心が強いから
すぐ変なところにいってしまいそうだけれど。
いつも、わたしのことを見ていてね。

大好きな弟分の君へ
愛を込めて。



 


あとがき。

小さな小さな子猫、ベースケが三ヶ月という短い生を終わらせてしまったときにかいたもの。
貰ってきてすぐの出来事でした。
あんまりに悲しくて悲しくて。

一番目の子は病気で、この子が二番目でした。
そのあとも交通事故で二匹、謎の死を迎えた男の子1匹と、いっぱいお別れをしました。
そんな中でも、現在実家に居る姉妹2匹は事故から生還。
長生きしてくれるといいなぁ、と思います。
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