好きな人が出来ました。
同じ電車に乗る人で、僕より一駅前に降りる人。

いつもより早い時間に起きて、いつもより早く朝食を取った。
いつもより早くに制服に着替えて、鞄に荷物を詰めた。

近道を通り、あの人と同じ電車に乗った。
ずっと、あの人を見ていた。

変わり映えのない、平凡な毎日が変化する。
あまり好きでなかった毎日、楽しくなりかけてる。


だから、
とても大切な、僕の毎日。

いつも通りの時間に起きて、いつも通りに朝食を取った。
いつも通り制服に着替えて、いつも通り鞄に荷物を詰めた。

いつも通りの道を通って、いつも通りの電車に乗った。
いつも通りに窓際に立つ。

いつも通りの駅で降りて、いつも通りのバスに乗り、
いつも通りに学校へ着く。

いつも通りに授業をうけて、いつも通りに家路につく。

変わり映えのない、平凡な毎日。
あまり好きでない、平凡な毎日。


けれど、
とても大切な、僕の毎日。

1999-11　文芸部　部誌に寄稿。

子猫を亡くしたあと、彼に向けて書いた詩。
いまでも天国で駆け回っているかしら。